大腸菌検査とは|飲み水の基準と検査方法・回数、一般細菌・濁度の見方、検出されたときの対処

大腸菌検査とは|飲み水の基準と検査方法・回数、一般細菌・濁度の見方、検出されたときの対処

大腸菌検査とは、水が人や動物の糞便で汚れていないかを、大腸菌がいるかどうかで確かめる検査です。

飲み水の基準は「検出されないこと」で、水道や井戸の水を飲み水に使う施設は、決まった方法と回数で検査を受けます。この記事では、施設で水の管理を担当する方に向けて、大腸菌の基準と検査の方法、検査の回数、一緒に見る一般細菌と濁度の読み方、大腸菌が出たときの対処を、国の告示と自治体の公式資料から整理します。

この記事でわかること

  • 飲み水の大腸菌は「検出されないこと」:検水100mLの中に1つもいないことが基準です。一般細菌は1mLで集落100以下、濁度は2度以下です。
  • 検査は特定酵素基質培地法:検水100mLを培地に入れて24〜28時間培養し、紫外線を当てて光れば陽性です(国の告示の方法)。
  • 2004年から「大腸菌群」ではなく「大腸菌」:川の環境基準は2022年、工場などの排水基準は2025年に、大腸菌数へ切り替わりました。
  • 回数は施設の区分で決まる:水道と専用水道は大腸菌・一般細菌がおおむね月1回、色と濁りは毎日、飲用の井戸は年1回以上です。
  • 出たら、まず飲むのをやめて保健所へ:消毒と井戸まわりの点検をして、再検査で陰性を確かめてから使います。
目次

大腸菌検査とは|水が糞便で汚れていないかを確かめる検査

水の大腸菌検査は、飲み水に糞便が混じっていないかを、その目印になる大腸菌の有無で調べる検査です。

食中毒や感染症を起こす菌の多くは、人や動物の腸から糞便を通って水に入ります。病原菌そのものを1つずつ探すのは手間がかかるので、腸に必ずいて数の多い大腸菌を「糞便の目印」として調べます。2003年に厚生科学審議会の専門委員会がまとめた答申は、水を通してうつる感染症の主な原因菌は温血動物の糞便に由来するので、糞便による汚れを見つけることが極めて重要で、大腸菌はその指標として適当だとしています。

便の検査(検便)の大腸菌検査とは別のもの

「大腸菌検査」には、水の検査のほかに、調理に携わる人などが受ける便の検査(検便)があります。

検便は、便の中に腸管出血性大腸菌(O157など)などの病原菌がいないかを調べるもので、食品を扱う事業者が従業員に受けさせる検査です。この記事で扱うのは水の検査で、井戸水や水道水、施設の受水槽の水に大腸菌がいないかを調べるものです。検便の申し込みや料金は、検便を受け付けている検査機関や保健所にお問い合わせください。

大腸菌・一般細菌・濁度は一緒に見る

水道法、建築物衛生法、国の飲用井戸の要領の定期検査には、大腸菌・一般細菌・濁度の3つがそろって入っています。

3つで水の汚れ方を読み分けます。大腸菌は糞便による汚れ、一般細菌は水の中の細菌の多さ、濁度は濁りの度合いを示します。四日市市上下水道局の解説は、一般細菌を「水中に存在する多様な細菌の総称」で、多くは病原性ではないが水が汚れているほど多く出るとし、大腸菌は適切に消毒されていれば検出されないとしています。

項目基準(飲み水)わかること国が定める検査方法
大腸菌検出されないこと(検水100mL)糞便による汚れ特定酵素基質培地法
一般細菌1mLの検水で形成される集落数が100以下細菌の多さ、消毒が効いているか標準寒天培地法
濁度2度以下(目標は1度以下)濁りの度合い、粘土や微生物などの混入積分球式光電光度法など7方法

表1 飲み水の大腸菌・一般細菌・濁度の基準と検査方法。環境省「水質基準項目と基準値」、水質基準に関する省令の規定に基づき環境大臣が定める方法、四日市市上下水道局の解説から作成

飲み水・川・排水で、大腸菌の基準は違う

同じ大腸菌でも、飲み水、川や湖の環境基準、工場などの排水基準で、決め方と数字がまったく違います。

飲み水は「いないこと」が基準ですが、川や湖は用途ごとに「100mLあたり何個まで」、排水は「1mLあたり何個まで」と量で決めています。検査結果を読むときは、どの基準と比べる検査なのかを先に確かめてください。違いは次の「大腸菌群から大腸菌へ」の節の表2にまとめています。

飲み水の基準|大腸菌は検出されないこと、一般細菌は100以下、濁度は2度以下

水道法の水質基準では、大腸菌は検出されないこと、一般細菌は集落100以下、濁度は2度以下です。

基準は水質基準に関する省令で決まっていて、2026年4月1日からは52項目になりました。大腸菌・一般細菌・濁度はその中の3つで、どれか1つでも超えれば、その水は飲み水の基準に合いません。

大腸菌は、100mLの中に1つもいてはいけない

大腸菌の基準は「検出されないこと」で、検水100mLを調べて1つも見つからないことを指します。

2003年の答申は、大腸菌の基準を「検出されないこと(ただし、検水量は100ml)」としました。量を決めて「ゼロ」を求める基準なので、結果は数ではなく「陽性(検出)」か「陰性(不検出)」で返ってきます。陽性なら、数の多い少ないに関係なく基準に合いません。

一般細菌は、1mLで集落100以下

一般細菌の基準は、検水1mLを培養してできる集落(コロニー)の数が100以下であることです。

集落とは、1つの菌が増えて目に見える塊になったものです。2003年の答申によると、この100という値は、19世紀末にコッホが、砂でろ過して細菌の集落数を1mLあたり100個以下にした水道水ではコレラやチフスの集団感染が起きなかったと観察したことに由来し、日本では1904年に取り入れられました。

濁度は2度以下、目標は1度以下

濁度の基準は2度以下で、別に水質管理目標設定項目として1度以下という目標値があります。

濁度は水の濁りの度合いで、水道技術研究センターの解説は、JIS K0101の定義として、精製カオリン1mgを水1Lに含む濁りを1度としています。四日市市上下水道局の解説は、濁りの原因を粘土や微生物、金属などとしています。濁度の検査は、サブKWの「濁度検査」で探される方が知りたい中身で、方法は後の「大腸菌の検査方法」の節で説明します。

大腸菌群から大腸菌へ|指標が変わった理由と、川・排水の基準

飲み水の基準は2004年4月に「大腸菌群」から「大腸菌」に変わり、川と排水の基準も後に続きました。

古い資料や他の分野の基準では「大腸菌群」という言葉がまだ出てきます。何が変わったのかを知っておくと、検査結果の表を読み違えずに済みます。

飲み水は、2004年4月から大腸菌に

2003年の答申を受けて、飲み水の基準は2004年4月1日から大腸菌群に代わって大腸菌になりました。

答申は、これまで大腸菌群を指標にしてきたが「その指標性は低く、本来は大腸菌を用いるべきであった」とし、大腸菌群が使われてきたのは当時の培養技術の制約にすぎなかったと書いています。迅速で簡単に大腸菌を培養する技術ができたので、直接的に糞便に由来する大腸菌を基準にしました。新しい省令は2003年5月30日に定められ、検査方法の告示とともに2004年4月1日から適用されました。

川や湖の環境基準は、2022年4月から大腸菌数

川・湖・海の環境基準は、2022年4月1日から大腸菌群数をやめて、大腸菌数になりました。

環境省は2021年10月7日の発表で、大腸菌群数を生活環境の保全に関する環境基準の項目から削り、新たに大腸菌数を加えたとしています。河川では、水道の水源として使う類型ごとに、100mLあたりの個数(CFU、コロニー形成単位)で基準値を決めています。基準値は、1年間の日間平均値を小さい順に並べて9割の位置に来る値(90%水質値)と比べます。

対象項目と単位基準切り替えた時期
飲み水(水道法の水質基準)大腸菌(検水100mL)検出されないこと2004年4月1日
川(環境基準・河川AA類型)大腸菌数(CFU/100mL)20以下(水道1級の地点は100以下)2022年4月1日
川(環境基準・河川A類型)大腸菌数(CFU/100mL)300以下2022年4月1日
川(環境基準・河川B類型)大腸菌数(CFU/100mL)1,000以下2022年4月1日
工場などの排水(排水基準)大腸菌数(CFU/mL)800以下2025年4月1日

表2 大腸菌の基準の比較。環境省「水質基準項目と基準値」、同「水質汚濁に係る環境基準の見直しについて」(2021年10月7日)、同「水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令の公布について」(2024年1月25日)から作成。環境基準は90%水質値

工場などの排水基準は、2025年4月から800CFU/mL

排水基準を定める省令の「大腸菌群数」は、2025年4月1日から「大腸菌数」に変わり、許容限度は800CFU/mLです。

環境省の2024年1月25日の発表によると、環境基準を大腸菌数に見直したことを受けて、排水基準も改めました。単位は1mLあたりで、飲み水や川の100mLあたりとは違います。工場や施設の排水の検査で「大腸菌数」と書かれた結果は、この排水基準と比べるもので、飲み水の基準と比べるものではありません。

大腸菌の検査方法|特定酵素基質培地法で24〜28時間

飲み水の大腸菌は、国の告示が定める特定酵素基質培地法で、24〜28時間培養して調べます。

検査方法は「水質基準に関する省令の規定に基づき環境大臣が定める方法」(平成15年厚生労働省告示第261号)が決めています。最新の改正は2026年1月28日の環境省告示第5号で、2026年4月1日から適用されています。水道法の検査は、この告示の方法で行います。

検水100mLを培地に入れて培養する

大腸菌の検査では、採った水100mLを専用の培地に入れて密封し、24〜28時間温めて培養します。

告示が認める培地は、MMO-MUG培地、IPTG添加ONPG-MUG培地、XGal-MUG培地、ピルビン酸添加XGal-MUG培地の4種類です。どれも大腸菌が持つ酵素に反応する成分を含んでいて、大腸菌が増えると培地の中に光る物質ができます。採水は滅菌した瓶で行い、塩素が残っている水を採るときは、塩素を消す薬(チオ硫酸ナトリウム)を入れた瓶を使います。

紫外線を当てて、光れば陽性

培養のあと、波長366nmの紫外線を当てて、決められた比色液より強く光れば陽性と判定します。

光が比色液より弱ければ陰性です。数を数えるのではなく、光るかどうかで「いる・いない」を決めるので、結果は陽性か陰性で返ってきます。検査の流れは次の図のとおりです。

大腸菌検査(特定酵素基質培地法)の流れ採水滅菌した瓶で培地に入れる検水100mLを密封培養35〜37℃で24〜28時間紫外線を当てる波長366nm陽性(検出)比色液より強く光る陰性光が弱い結果は数ではなく「いる・いない」で出る培地はMMO-MUG・IPTG添加ONPG-MUG・XGal-MUG・ピルビン酸添加XGal-MUGの4種のどれか。塩素が残る水はチオ硫酸ナトリウム入りの瓶で採る

水質基準に関する省令の規定に基づき環境大臣が定める方法(別表第1・第2)をもとに当社で作成

一般細菌は、標準寒天培地で22〜26時間培養して数える

一般細菌は標準寒天培地法で、検水1mLを寒天に混ぜて22〜26時間培養し、できた集落を数えます。

告示によると、検水を2枚以上のペトリ皿に1mLずつ取り、45〜50℃に保った標準寒天培地をおよそ15mLずつ加えて混ぜ、固まったら逆さにして35〜37℃の恒温器で22〜26時間培養します。それぞれの皿の集落数を平均した値が菌数です。採水したらすぐに検査し、すぐにできないときは冷暗所に置いて12時間以内に検査します。時間の決まりがあるので、柏市などの自治体の窓口は、検査の当日に採水して持ち込むよう案内しています。

濁度は、積分球式など7つの方法で測る

濁度検査は、告示が定める7つの方法のどれかで、水に光を当てて濁りの量を測ります。

告示が認める方法は、比濁法、透過光測定法、積分球式光電光度法と、連続自動測定機器による透過光測定法・積分球式光電光度法・散乱光測定法・透過散乱法の7つです。積分球式光電光度法は、濁度計で水の中の散乱光の量を測り、濁度の標準液で作った検量線から濁度を出します。告示は連続自動測定機器で測る方法も認めていて、水道法施行規則は、連続して計測と記録をしている場合に濁度の定期検査の回数を減らせるとしています。

大腸菌検査の回数|水道は毎月、井戸は年1回以上

大腸菌検査の回数は施設の区分で決まり、水道は月1回、井水を使うビルは半年ごと、飲用の井戸は年1回以上です。

自分の施設がどの区分に当たるかで、回数も義務の重さも変わります。区分の全体は水質検査とは|項目・頻度と、義務がかかる5つの場合で説明しています。

水道と専用水道は、大腸菌が月1回、色と濁りは毎日

水道事業者と専用水道は、水道法施行規則第15条により、大腸菌・一般細菌をおおむね月1回以上検査します。

同じ条文は、色と濁り、消毒の残留効果(残留塩素)を1日1回以上検査するよう定めています。採水の場所は蛇口(給水栓)が原則です。濁度も月1回以上の項目に入っていて、連続して計測と記録をしている場合は、おおむね3か月に1回以上に減らせます。専用水道は、100人を超える人に水を送るか、1日の最大給水量が20m³を超える自家用の水道で、施設の井戸水を飲み水に使う場合も当たることがあります。判定の仕方は専用水道とは|対象の判定、確認申請と届出、水質検査・管理の義務までをご覧ください。

井水を使うビルは、6か月ごとに16項目

建築物衛生法の特定建築物で井水を飲み水に使う場合は、大腸菌・一般細菌・濁度を含む16項目を6か月以内ごとに検査します。

建築物衛生法施行規則は、井水を使う特定建築物に、給水を始める前の全項目の検査と、6か月以内ごとの16項目、毎年の11項目、3年以内ごとの7項目の検査を求めています。毎日の残留塩素の確認とは別の、定期の検査です。

飲用の井戸は、年1回以上と臨時の検査

専用水道や特定建築物に当たらない飲用の井戸は、国の飲用井戸等衛生対策要領により、年1回以上の定期検査を受けます。

要領の定期検査の項目には、一般細菌・大腸菌・濁度が入っています。水の色や濁り、においがいつもと違うなど、水に異常を認めたときは、臨時の検査をします。井戸水の検査の項目全体と、自治体の窓口の型は井戸水の水質検査|飲める基準・検査項目・費用と頼み先、基準を超えたときの対処にまとめています。

施設の区分大腸菌・一般細菌濁度根拠
水道事業者・専用水道おおむね月1回以上毎日(色と濁り)+おおむね月1回以上水道法施行規則第15条
井水を使う特定建築物(ビル)6か月以内ごと(16項目)6か月以内ごと(16項目)建築物衛生法施行規則
飲用の井戸(上の2つに当たらないもの)年1回以上年1回以上飲用井戸等衛生対策要領
どの区分でも、水に異常を認めたとき臨時の検査臨時の検査同上

表3 施設の区分ごとの大腸菌・一般細菌・濁度の検査回数。水道法施行規則、建築物衛生法施行規則、飲用井戸等衛生対策要領(国土交通省掲載)から作成

検査結果の読み方|陽性・集落数・濁度が示すこと

検査結果は、大腸菌の陽性・陰性、一般細菌の集落数、濁度の度数を、それぞれ基準と比べて読みます。

3つのうち1つでも基準を超えれば飲み水の基準に合いません。超えた項目の組み合わせで、汚れの入り口の見当をつけます。

大腸菌が陽性なら、糞便による汚れを疑う

大腸菌が陽性なら、水に人や動物の糞便が混じり、病原菌も入り込んでいるおそれがあると読みます。

四日市市上下水道局の解説は、大腸菌を人や動物の腸にいる菌で、水が糞便で汚れていないかを示す指標としています。糞便と一緒に入ってくる病原菌の目印です。令和6年(2024年)の国の食中毒統計では、原因食品が「井戸水」の食中毒が1件あり、佐賀県の家庭で9月23日に腸管出血性大腸菌による患者7人が出ています。消毒していない水では、目印が出た時点で手を打つ必要があります。

一般細菌が多いのは、汚れや消毒不足のしるし

一般細菌が100を超えるのは、水が汚れているか、消毒が足りないしるしで、大腸菌が陰性でも基準に合いません。

2003年の答申は、一般細菌を菌の現存量の指標で、塩素消毒が適正に行われているかを判定する指標としています。塩素消毒している水で一般細菌が増えたら、塩素の注入や残留塩素の濃度を確かめます。毎日の残留塩素の確かめ方は残留塩素の基準と測定方法|0.1mg/Lを毎日確かめる理由と、下がる原因で説明しています。

濁度が上がると、塩素の効かない病原体に備える

濁度が上がったときは、塩素で死なない病原体が残っていないかを考え、ろ過や浄水の状態を確かめます。

水道技術研究センターの解説によると、海外ではクリプトスポリジウムなどによる集団発生が、濁度や大腸菌群の基準を満たしていても起きています。こうした原虫は通常の塩素消毒では不活性化できないからです。国の「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」(2007年3月30日)は、原水から大腸菌と嫌気性芽胞菌(指標菌)が出る水道に、ろ過池の出口の濁度を0.1度以下に保つよう求めています。0.1度は浄水処理の管理の目安で、水質基準の2度とは別の数字です。

井戸では、一般細菌と大腸菌の超過が多い

井戸水の検査では、一般細菌と大腸菌が、基準を超えた割合の高い上位の項目です。

国土交通省が掲載する令和4年度の飲用井戸等の水質検査の集計(都道府県などの報告)では、検査した28,403井戸のうち、一般細菌の超過が12.5%、大腸菌(大腸菌群を含む)の超過が4.4%でした。延べの数を含む可能性がある古い年度の集計なので、今の割合ではありません。茨城県が公表した令和6年度の井戸水の水質検査の集計では、4,341件のうち1,552件(35.8%)が不適合で、一般細菌の不適合が22.5%でした。川の水を使う久留米市企業局の令和7年度の検査では、浄水する前の原水から大腸菌が毎月出ていて(100mLあたり10〜540個)、浄水処理と消毒で取り除いています。

結果の組み合わせ読み方(当社の整理)まずすること(当社の整理)
大腸菌 陽性糞便による汚れのおそれ。病原菌の混入を疑う飲用をやめて保健所へ
大腸菌 陰性・一般細菌 100超汚れの混入か、消毒の不足飲用をやめ、消毒と井戸まわりを点検
濁度 2度超粘土・微生物・金属などの混入。ろ過の不調飲用をやめ、原因と処理を確かめる
3つとも基準内この3項目では基準に合う他の項目と回数を守って検査を続ける

表4 大腸菌・一般細菌・濁度の結果の読み方。水質基準、飲用井戸等衛生対策要領、四日市市上下水道局の解説をもとに当社で整理

大腸菌が検出されたときの対処

大腸菌が出たら、まず飲むのをやめて保健所に連絡し、原因を直して再検査で陰性を確かめてから使います。

順番を飛ばして消毒だけで使い続けると、原因が残ったまま同じことが起きます。手順は次の図のとおりです。

大腸菌が検出されたときの手順1 飲むのをやめる使う人に知らせる2 保健所に連絡指示を受ける3 原因を点検して直す井戸・周辺・消毒設備4 再検査大腸菌を含む項目陰性で保健所の了承後に戻す陽性なら、点検に戻る煮沸や塩素消毒は、原因を直すまでのその場しのぎ。飲んでよいかは保健所の指示で決める

飲用井戸等衛生対策要領、東京都南多摩保健所・福岡市の案内をもとに当社で整理して作成

まず飲むのをやめ、保健所に連絡する

飲用井戸等衛生対策要領は、健康を害するおそれを知ったら直ちに給水を止め、保健所などに連絡するよう求めています。

要領は、井戸の設置者や管理者に、使う人への周知と、水質基準を超えたことが分かったら保健所などに連絡して指示を受けることも求めています。施設なら、飲み水の蛇口に「飲用中止」を掲示し、給食や調理に使う水も止めるのが当社の考える最初の手当てです。手洗いやトイレなど飲まない使い方を続けてよいかは、保健所の指示に従ってください。

煮沸や塩素消毒は、その場しのぎ

煮沸や塩素消毒は、原因を直すまでの間の手当てで、陽性の水を安全に戻す対策にはなりません。

福岡市は井戸水について、なるべくそのまま飲むのは避け、塩素消毒や煮沸をしてから飲むよう案内しています。埼玉県は、飲用の井戸には必ず消毒設備を付けるよう呼びかけています。ただし、大腸菌が出たのは汚れの入り口があるしるしで、消毒しても入り口は残ります。煮沸した水を飲んでよいかも、保健所の指示を受けてから決めてください。

井戸のまわりと消毒設備を点検する

汚れの入り口を探すため、井戸の構造と周辺、消毒設備が正しく動いているかを点検します。

要領は設置者に、井筒・ケーシング・ポンプ・吸込管・弁類などの井戸の構造と、その周辺を定期的に点検し、清潔に保つよう求めています。当社の整理では、ふたの隙間、井戸のそばの排水や浄化槽、大雨のあとの雨水の流れ込みも、あわせて確かめたい場所です。消毒設備がある場合は、薬液が切れていないか、注入が止まっていないかを見ます。

再検査で陰性を確かめ、保健所の指示を受けてから使う

原因を直したら、もう一度大腸菌を含む検査を受け、陰性と保健所の指示を確かめてから飲み水に戻します。

東京都南多摩保健所は、井戸が汚れたときの原因の調査と、使用を再開する前の水質検査を案内しています。大腸菌が陰性でも、ほかの項目が基準を超えていれば飲み水には戻せません。再検査の結果が出るまでは、飲用中止の掲示を外さないでください。

この施設の水を、検査と監視のついた地下水で確保できるか

当社は、施設の水道の使用量と受水槽の状況から、深井戸の地下水を浄水して飲み水に使えるかを判定します。導入できない施設には、その旨をはっきりお伝えします。

導入できるか診断する

ご相談の段階で費用は発生しません。

大腸菌検査の頼み先と費用、施設で地下水を飲み水にするとき

大腸菌検査は、保健所などの自治体の窓口か、国に登録した水質検査機関に頼みます。

水道や専用水道の法定の検査は登録機関に頼みます。飲用の井戸は自治体の窓口でも受けられますが、受け付けの有無と項目は自治体ごとに違うので、まず井戸のある市町村か保健所に問い合わせてください。

細菌の検査だけなら、自治体の窓口で1,470〜3,600円の例

自治体の窓口では、一般細菌と大腸菌の細菌検査だけを受けられる所があり、手数料は1,470〜3,600円の例があります。

2026年10月27日に各市の公式ページで確認した手数料では、福岡市は区役所の衛生課で、一般細菌と大腸菌の細菌検査を1,470円で受け付けています。柏市は一般細菌1,800円、大腸菌1,800円で、基本10項目では6,800円です。ただ、井戸水を飲み水に使うなら、細菌だけでなく硝酸態窒素や濁度などを含む10〜13項目のセットで受けるのが基本です。

頼み先向いている人手数料の例
保健所・区役所など自治体の窓口自宅や事業所の飲用の井戸福岡市 細菌検査(一般細菌・大腸菌)1,470円/柏市 一般細菌1,800円・大腸菌1,800円
国に登録した水質検査機関(約193)水道・専用水道の法定検査、全項目の検査機関ごとに見積もり
建築物衛生法の登録業者特定建築物の定期検査業者ごとに見積もり

表5 大腸菌検査の頼み先と手数料の例。福岡市・柏市の公式ページ、環境省の登録水質検査機関の登録簿(2026年10月1日時点を当社で数えた値)から作成

水道法の検査は、登録検査機関に頼む

水道事業者と専用水道の定期検査は、国に登録した水質検査機関などに頼みます。

登録水質検査機関は、2026年10月1日時点の登録簿で約193あり、登録は3年ごとに更新されます。結果は告示の方法で出されるので、表1の基準とそのまま比べられます。千葉県・練馬区・静岡市のように、保健所では井戸水の検査を受けず、登録機関を案内している自治体もあります。

施設の地下水は、毎日の確認と定期の検査を組み合わせる

施設で地下水を飲み水に使うなら、毎日の色・濁り・残留塩素の確認と、月ごとや年ごとの検査を組み合わせて管理します。

大腸菌の検査は月に1回や年に1回なので、当社は、その間に起きた変化には毎日の色・濁りと残留塩素の確認で気づくものと考えています。ただし、塩素で不活性化できない原虫もあるので、浄水処理(ろ過)が正しく動いているかの確認も欠かせません。地下水を飲み水にする条件の全体は地下水とは|飲料水にできる条件と、水質検査・浄水処理・規制までで説明しています。

当社の地下水飲料化で、検査をどう担うか

当社の地下水飲料化システムは、深井戸の地下水を浄水し、水質基準を満たした水だけを受水槽に入れて施設に送る仕組みです。

給水を始めるまでに、井戸の原水と浄水の水質検査を経ます。当社のサービスで施設側にお願いするのは、水道技術管理者の選任と、毎日の色・濁り・残留塩素の確認です。浄水設備は24時間監視していて、異常があれば水道水へ自動で切り替わります。仕組みの全体は地下水飲料化システムの仕組み(浄水設備と受水槽への給水)をご覧ください。

この施設に、地下水の水源を足せるか

当社は、上水道の使用量と受水槽の状況から、地下水を施設の水源に加えられるかと、水道代が下がるかを判定します。当てはまらない施設には、その旨をはっきりお伝えします。

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ご相談の段階で費用は発生しません。

大腸菌検査についてのよくある質問

Q. 大腸菌と大腸菌群は何が違いますか

A. 飲み水の基準で使う指標が違います。2003年の答申は、大腸菌群は糞便の汚れの指標としては指標性が低いとし、直接的に糞便に由来する大腸菌に変えました。2004年3月以前の検査結果や、古い井戸の記録に「大腸菌群」とあれば、今の基準とは別の項目なので、そのまま比べずに大腸菌で検査し直してください。

Q. 大腸菌検査の結果は、どのくらいで出ますか

A. 培養そのものは24〜28時間です。自治体の窓口に頼んだ場合は、容器の受け取りから結果の通知まで1〜2週間かかる例があります。急ぐときは、頼む前に結果が出るまでの日数を窓口に確かめてください。

Q. 井戸水で大腸菌が出たら、煮沸すれば飲めますか

A. まず飲むのをやめ、保健所に連絡してください。国の要領は給水を止めて保健所などに連絡するよう求めています。福岡市は井戸水を煮沸や塩素消毒してから飲むよう案内していますが、大腸菌が出たのは汚れの入り口があるしるしなので、原因を直して再検査で陰性を確かめるまでは、保健所の指示に従ってください。

Q. 一般細菌が基準を超えて、大腸菌は陰性でした。飲めますか

A. 飲み水の基準には合いません。水質基準は項目ごとに満たす必要があり、一般細菌が1mLで集落100を超えれば、大腸菌が陰性でも不適合です。2003年の答申は一般細菌を塩素消毒が適正かを判定する指標としているので、消毒している井戸なら、まず蛇口の残留塩素が0.1mg/L以上(埼玉県が井戸水の検査で示す値)あるかを測り、消毒設備と井戸まわりを点検してから再検査してください。

Q. 水が透明なら、大腸菌もいないと考えてよいですか

A. いいえ。濁度は濁りの度合いを測るもので、菌がいるかどうかは分かりません。透明な水でも大腸菌や一般細菌が基準を超えることがあるので、濁度とは別に大腸菌と一般細菌の検査を受けてください。

参考情報

国と自治体の資料は2026年10月31日に確認しました(飲用井戸等衛生対策要領、建築物衛生法施行規則、井戸の超過率、手数料、登録機関、食中毒統計、項目の解説は、当社の既存記事のために2026年10月27日に確認したもの)。

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