水質検査とは|項目・頻度と、義務がかかる5つの場合

水質検査とは|項目・頻度と、義務がかかる5つの場合

水質検査とは、水が使い道ごとに決められた基準に合っているかを、採った水を分析して確かめることです。飲み水の基準は水道法の水質基準で、2026年4月から52項目になりました。

施設の担当者にとって本当の問いは、自分の施設に検査の義務がかかるかどうかです。法律は水源が水道水か自己水源かと、施設の規模で5つに分けていて、区分ごとに項目も頻度も違います。この記事では、その5つを1枚の表にまとめ、地下水を水源にすると検査が何増えるかまで整理します。

この記事でわかること

  • 水質基準は52項目:2026年4月1日からPFOS・PFOAが加わり、51項目から52項目になりました。
  • 義務は5つに分かれる:水道事業者・専用水道・簡易専用水道・特定建築物・飲用井戸で、根拠も頻度も違います。
  • 地下水を使うと検査が増える:自己水源を持つと専用水道や特定建築物の地下水区分に入り、給水前の全項目検査などが上乗せされます。
目次

水質検査は何を調べるのか

飲み水の水質検査は、水道法の水質基準52項目に合っているかを、登録を受けた検査機関などで調べるものです。

辞書では、水の色やにおい、硬度などの性質と、有害な化学物質や細菌の有無を調べ、使用目的の基準に合うかを判定すること、と説明されています。飲み水・プール・工業用水と、使い道によって基準は別々にあります。この記事で扱うのは、人が飲む水の検査です。

水質基準は52項目。2026年4月にPFOS・PFOAが加わった

水道の水質基準は、2026年4月1日から52項目です。有機フッ素化合物のPFOS・PFOAが新しく入りました。

根拠は水質基準に関する省令で、2025年6月30日に公布された改正(令和7年環境省令第19号)が2026年4月1日に施行されました。PFOS・PFOAは合算で0.00005mg/L以下、つまり50ng/L以下と決められています。

この値は新しく決めたものではありません。PFOS・PFOAは2020年から水質管理目標設定項目に入っていて、暫定目標値が同じ50ng/Lでした。値はそのままで、努力の目標から守るべき基準へ格上げされた、というのが今回の改正の中身です。

52項目の内訳は、健康に関わる32項目と、味やにおいなど生活上の支障に関わる20項目です。いまも検査機関の案内に「51項目」「全51項目」と書かれたものが残っていますが、これは改正前の数です。

基準・目標設定項目・要検討項目の3段がある

水質の項目には、守る義務がある水質基準、努力する水質管理目標設定項目、情報を集める要検討項目の3段があります。

段項目数位置づけ検査
水質基準52省令で決まった基準水道事業者などに守る義務と検査の義務
水質管理目標設定項目26通知による目標基準に準じた検査に努める
要検討項目46知見を集める段階義務なし

出典:環境省「水質基準に関する省令改正の概要について」(令和7年8月)、環境省「水質基準項目と基準値」ほか

法的な義務がかかるのは一番上の水質基準だけです。目標設定項目は農薬類など26項目で、上の段に上がる予備軍の位置にあります。PFOS・PFOAも、この段を経て基準に上がりました。要検討項目には、PFOS・PFOA以外のPFAS(PFHxSなど)が入っています。

11項目・16項目・52項目は何が違うか

検査機関の料金表でよく見る11項目・16項目・52項目は、どの法律の、どの定期検査に当たるかの違いです。

項目数中身主に使われる場面
9項目一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・有機物(TOC)・pH・味・臭気・色度・濁度水道法の毎月の検査。回数を減らしたり省いたりできない基本の項目
11項目上の9項目に、亜硝酸態窒素と硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素を加えたもの飲用井戸の定期検査の基本。検査機関の「井戸水セット」
16項目9項目に鉛・亜鉛・鉄・銅・亜硝酸態窒素・硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素・蒸発残留物を加えたもの特定建築物(建築物衛生法)の6か月ごとの検査
52項目水質基準の全項目地下水を使う施設の給水開始前の検査。水道事業者と専用水道は毎日・毎月・3か月ごとの検査で全項目を回す

水道法施行規則第15条、建築物衛生法施行規則第4条、飲用井戸等衛生対策要領(令和7年6月改正)をもとに作成

11項目は、一般細菌・大腸菌・亜硝酸態窒素・硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素・塩化物イオン・有機物(TOC)・pH・味・臭気・色度・濁度です。飲用井戸の要領では、これに有機溶剤とPFOS・PFOAなどを加えて定期検査を組みます。数字が同じでも中身が機関ごとに少し違うことがあるので、依頼の前に項目名で確かめてください。

水質検査の義務がかかる5つの場合

水質検査の義務がかかるかどうかは、水源が水道水か自己水源かと、施設の規模で決まります。

法律上の区分は次の5つです。同じ建物が2つの区分に同時に当たることもあります。たとえば地下水を使う大きな事務所ビルは、専用水道と特定建築物の両方の規定がかかり得ます。

区分根拠当たる条件求められる検査頻度記録
水道事業者水道法第20条市町村などの水道水質基準の定期・臨時検査毎日・毎月・3か月ごと(施行規則第15条)5年保存
専用水道水道法第34条(第20条を準用)100人を超える人に居住用の水を供給、または生活用の1日最大給水量が20m³超水道事業者と同じ定期・臨時検査水道事業者と同じ5年保存
簡易専用水道水道法第34条の2水道水だけを水源とし、受水槽の有効容量の合計が10m³超登録機関などによる管理状況の検査毎年1回以上(掃除も毎年1回以上)―
特定建築物建築物衛生法延べ面積3,000m²以上の事務所・店舗・旅館など(学校教育法の学校は8,000m²以上)16項目など6か月以内ごとなど(水源で違う)5年保存
飲用井戸飲用井戸等衛生対策要領(通知)上の法律がかからない井戸。事業所の業務用井戸など11項目+有機溶剤+PFOS・PFOAなど毎年1回以上(自宅専用は望ましい)―

出典:水道法・同施行令・同施行規則、建築物衛生法施行令・同施行規則、飲用井戸等衛生対策要領(令和7年6月30日改正、令和8年4月1日施行)

水道事業者(市町村などの水道)

水道事業者は、水道法第20条で定期と臨時の水質検査を義務づけられ、記録を5年間保存します。

検査は自前の検査施設で行うか、地方公共団体の機関か国土交通大臣・環境大臣の登録を受けた検査機関に委託します。毎事業年度の始まる前に、どの項目をどの頻度で検査するかを水質検査計画として作ることも決まっています。施設が水道水を受けているだけなら、この義務は水道事業者の側にあります。

専用水道(100人超・20m³超の自家用水道)

専用水道は、100人を超える人に居住用の水を送るか、生活用の1日最大給水量が20m³を超える自家用の水道です。

条文は、寄宿舎・社宅・療養所などの自家用の水道を例に挙げています。専用水道の設置者には、水道法第34条で第19条(水道技術管理者)・第20条(水質検査)・第23条(給水の緊急停止)などが準用されます。つまり、検査の頻度も項目も記録の保存も、市町村の水道とほぼ同じ義務を負います。

条文にはただし書があり、水道水だけを受けていて、口径25mm以上の導管の全長が1,500m以下、水槽の有効容量の合計が100m³以下なら専用水道になりません。このただし書は「水道水だけを水源とする」ことが条件なので、地下水などの自己水源を持つ施設は当たりません。自己水源があれば、100人超か20m³超で専用水道です。全国の専用水道は8,059か所(令和6年度末)あります。

簡易専用水道(受水槽10m³超)

簡易専用水道は、水道水だけを水源とし、受水槽の有効容量の合計が10m³を超える施設の水道です。

ビルやマンションの受水槽がこれに当たります。設置者は水槽の掃除を毎年1回以上行い、地方公共団体の機関か登録を受けた検査機関の検査を毎年1回以上受けます。ここでいう検査は、52項目の分析ではなく、施設の管理の状況と給水栓の水の状態を確かめる検査です。水の成分を細かく調べる義務とは性質が違います。

特定建築物(建築物衛生法)

特定建築物は、延べ面積3,000m²以上の事務所・店舗・旅館などで、建築物衛生法の水質検査がかかる建物です。

百貨店・集会場・図書館・研修所なども対象で、学校教育法の学校は8,000m²以上が対象です。水道水だけを使う特定建築物は、一般細菌・大腸菌・鉛・鉄など16項目を6か月以内ごとに1回、消毒副生成物などを毎年6月1日〜9月30日の間に1回検査します。遊離残留塩素の検査は7日以内ごとに1回です。病院と工場は特定建築物の用途に入っていないので、建築物衛生法の検査はかかりません。病院や工場で地下水を使う場合は、専用水道か飲用井戸の区分で考えます。

飲用井戸(要領による指導)

専用水道にも特定建築物にも当たらない井戸は、国の通知である飲用井戸等衛生対策要領で、毎年1回以上の検査を求められます。

この要領は法律ではなく、都道府県などが設置者を指導するための基準です。罰則のある義務ではありませんが、官公庁・学校・病院・店舗・工場などに飲み水を出す業務用の井戸は「毎年1回以上行うものとする」と書かれ、自宅専用の井戸は「望ましい」と書き分けられています。2025年6月30日の改正(2026年4月1日施行)で、定期検査にPFOS・PFOAが加わりました。

ネット上には、平成26年の旧版(「1年以内ごとに1回」「厚生労働大臣の登録」)がまだ残っています。検査機関の登録は、いまは国土交通大臣と環境大臣が行います。

水道法の定期検査は、毎日・毎月・3か月ごとの3段

水道事業者と専用水道の定期検査は、毎日の検査、毎月の検査、3か月ごとの検査の3段に分かれます。

毎日(1日1回以上)色・濁り消毒の残留効果(残留塩素)毎月(おおむね1か月に1回)基本の9項目一般細菌・大腸菌・pH・濁度など3か月ごと(おおむね)残りの項目PFOS・PFOAを含む過去3年すべて基準値の1/5以下→年1回1/10以下→3年に1回まで減らせる減らすことも省くこともできない

出典:水道法施行規則第15条(2026年4月1日施行版)をもとに作成。水道事業者と専用水道に共通

毎日の検査は、色・濁り・消毒の残留効果(残留塩素)を1日1回以上確かめるものです。毎月の検査は、一般細菌・大腸菌・塩化物イオン・有機物(TOC)・pH・味・臭気・色度・濁度の9項目を、おおむね1か月に1回以上行います。残りの項目は、おおむね3か月に1回以上です。採水の場所は給水栓が原則で、蛇口から出る水で測ります。

給水栓では、遊離残留塩素を0.1mg/L以上保つよう塩素消毒をすることも決まっています。毎日の検査は、この値が保たれているかを見る検査でもあります。

回数を減らせる条件と、省略できない9項目

3か月ごとの項目は、過去3年間の結果がすべて基準値の5分の1以下なら年1回、10分の1以下なら3年に1回まで減らせます。

減らせるのは、原水の水質が大きく変わるおそれが少ない場合に限られます。過去3年間に水源の種類・取水地点・浄水方法を変えていないことが目安です。過去の結果が基準値の2分の1を超えたことがなく、原水や水源の状況から必要がないことが明らかな項目は、検査そのものを省略できるものもあります。地下水が水源のときは、有機溶剤などについて近くの地域の地下水の状況も見て判断します。

一方で、一般細菌・大腸菌を含む基本の9項目は、減らすことも省くこともできません。臨時の検査でも、この9項目は必ず行います。PFOS・PFOAの回数を減らす判断は事業の区分で時期が違い、市町村などの上水道事業は令和11年度から、専用水道は施行前の検査結果があれば減らすことができます。

臨時の検査と、基準を超えたとき

臨時の検査は、水が基準に合わないおそれがあるときに行い、健康を害するおそれを知ったら直ちに給水を止めます。

水源の水質が急に変わった、浄水の工程に異常があった、近くで汚染が見つかった、といった場面が臨時の検査のきっかけになります。水道法第23条は、供給する水が人の健康を害するおそれがあると知ったときは、直ちに給水を停止し、その水を使うことが危険である旨を関係者に周知させる措置を講じるよう求めています。専用水道の設置者にも、この規定がそのままかかります。

Q. 臨時の検査はどんなときに必要ですか

A. 水道で供給する水が水質基準に合わないおそれがあるときです。原水の色や濁りが急に変わった、浄水設備が故障した、周辺の井戸で汚染が見つかった、といった場面が当たります。基本の9項目は臨時の検査でも省けず、それ以外の項目は必要がないことが明らかなら省略できます。

地下水を水源にすると、検査は何が増えるか

地下水を水源にすると、施設は水道水を受けるだけの立場から、自分で水質を確かめる立場に変わります。

受水槽に水道水をためるだけなら、かかるのは簡易専用水道の年1回の管理検査までで、水質そのものの責任は水道事業者にあります。自己水源を持つと、専用水道なら水道法の定期検査が丸ごと、特定建築物なら地下水区分の検査がかかります。どの区分に入るかは、次の順で見分けます。

飲み水の水源は何か水道水だけ地下水などの自己水源あり受水槽の容量の合計は10m³を超えるか100人超に居住用の水、または生活用の1日最大20m³超か超える以下はいいいえ簡易専用水道管理の検査 毎年1回以上小規模貯水槽水道要領で毎年1回以上(指導)専用水道水道法の定期検査・5年保存業務用の飲用井戸要領で毎年1回以上(指導)延べ面積3,000m²以上の事務所・店舗・旅館など(特定建築物)なら重ねて水道水だけ→16項目を6か月ごと/地下水あり→給水前に全項目+7項目を3年ごと

水道法第3条・第34条の2、同施行令第1条・第2条、建築物衛生法施行令第1条・同施行規則第4条、飲用井戸等衛生対策要領をもとに作成

特定建築物で地下水を使う場合は、給水を始める前に水質基準の全項目を検査し、その後は16項目の6か月ごとの検査と、消毒副生成物などの毎年6月1日〜9月30日の間の検査(水道水だけの場合と同じ)に加えて、四塩化炭素・ジクロロエチレン類・ジクロロメタン・テトラクロロエチレン・トリクロロエチレン・ベンゼン・フェノール類の7項目を3年以内ごとに1回検査します。周辺の井戸の水質が変わったなど、基準に合わないおそれがあるときも検査が要ります。

地下水で基準を超えやすい項目

地下水で基準を超えやすいのは、硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素・砒素・ふっ素です。

環境省の令和6年度の概況調査では、2,721本の井戸のうち153本で、いずれかの項目が環境基準を超えていました。超過率は5.6%です。

項目超過率主な原因
いずれかの項目5.6%(2,721本中153本)―
硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素2.5%施肥・家畜排せつ物・生活排水
砒素2.0%主に自然由来
ふっ素1.1%主に自然由来
鉛・ほう素各0.3%―
トリクロロエチレン0.1%主に工場・事業場の排水や原料

出典:環境省「令和6年度地下水質測定結果」(概況調査)。環境基準は水道の水質基準とは別の基準

砒素とふっ素は、主に地層に由来します。人の活動と関係なく、掘った場所で最初から含まれていることがあるので、井戸を掘ったあとの原水の検査が欠かせません。有機溶剤は工場や事業場の排水・原料に由来するもので、地下水を水源にする専用水道で、検査の省略を判断するときに周辺の状況を見るよう求められているのはこのためです。

PFOS・PFOAは、地下水を使う施設ほど影響が大きい

PFOS・PFOAの基準化で検査の負担が増えるのは、市町村の水道よりも、地下水を使う専用水道です。

国土交通省と環境省が2025年12月に公表した調査では、専用水道の設置者8,056のうち、PFOS・PFOAを検査したことがあるのは4,353でした。前年の1,929から増えたものの、3,703の設置者はまだ検査したことがない計算です。暫定目標値の50ng/Lを超えた専用水道は59(前年42)で、そのうち35は上水道への切り替えや井戸の取水停止などで対策を済ませています。

環境省の令和6年度の調査でも、PFOS・PFOAが指針値を超えた地点629のうち496は地下水でした。一方、市町村などの水道事業の超過は、令和6年度(9月30日時点)に0事業まで減っています。基準になった2026年4月からは、専用水道でも3か月に1回を基本とする定期検査の対象です。

なお、2026年4月1日施行の建築物衛生法施行規則の条文上は、地下水を使う特定建築物の定期検査の項目にPFOS・PFOAは入っていません。給水開始前の全項目検査で1回確かめる形です。同じ地下水でも、専用水道に当たるかどうかで扱いが分かれます。

地下水を使ったときの区分を確かめる

上水道の使用量と設置スペースがわかれば、地下水を飲み水にできる施設か、どの検査と管理が必要になるかを判定できます。

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水質検査はどこに頼み、いくらかかるか

法定の水質検査は、自前の検査施設で行うか、国の登録を受けた水質検査機関か地方公共団体の機関に委託して行います。

登録水質検査機関は193。3年ごとに登録を更新する

国土交通大臣と環境大臣の登録を受けた水質検査機関は、2026年7月1日現在で193機関です。

登録は3年ごとに更新しないと効力を失います。登録機関は、定められた方法で公正に検査し、精度管理を定期的に行い、外部の精度管理調査を受けることが決まっています。正当な理由がなければ検査の依頼を断れません。一覧は環境省のページで公開されています。保健所などの地方公共団体の機関も検査を受けますが、さいたま市保健所のように、原則として全項目の検査に対応していない機関もあります。

料金は項目の数で桁が変わる

料金は項目の数で桁が変わり、公開料金表の実例では11項目が3,960〜6,600円、改正前の全項目が255,200円です。

機関検査料金(税込)
埼玉県食品衛生検査センター省略不可項目 11項目3,960円
静岡県生活科学検査センター井戸水 11項目6,600円
静岡県生活科学検査センター11項目+鉛・鉄・マンガン 14項目12,100円
さいたま市保健所(令和8年度)PFOS及びPFOA58,000円
静岡県生活科学検査センター水質基準の全項目(改正前の51項目のセット)255,200円

各機関の公開料金表(2026年9月25日確認)。相場や平均ではなく実例

さいたま市保健所では、PFOS及びPFOAだけで58,000円です。専用水道なら毎月と3か月ごとの検査が年間を通して続くので、1回の料金よりも年間の検査計画で見ることが大切です。

地下水を飲み水にする施設で、検査と管理を誰が担うか

地下水を飲み水にする施設では、水質検査の法的な義務は、専用水道の設置者である施設側に残ります。

義務は設置者に残る

専用水道の水質検査の義務は、水道を持つ施設、つまり導入した企業や法人が負います。

専用水道の設置者は、水道を持つ施設そのものです。水道技術管理者を置くこと、第20条の水質検査を行うこと、記録を5年間保存すること、異常のときに給水を止めることは、設置者の義務です。外部の会社と契約しても、この義務そのものが移るわけではありません。

当社のサービスで分担していること

当社のサービスで施設側にお願いするのは、水道技術管理者の選任と、毎日の色・濁り・残留塩素の確認です。

毎日の確認は、第20条の検査のうちの毎日の検査に当たります。当社はオンサイト浄水処理サービスの契約期間中、処理した水の水質と水量を確保するよう浄水処理設備の機能を維持し、その費用を負担します。設備は24時間連続で監視し、異常があれば水道水へ自動で切り替えるバックアップを備えています。給水を始めるまでには、井戸の原水の水質検査、浄水の水質検査、役所の使用前検査を経ます。専用水道の手続きなど、諸官庁への許認可の申請は当社が代行します。

仕組みの全体は地下水飲料化とは、導入後の監視と保守は導入後のサービス、導入できる施設の条件は導入できる条件で説明しています。断水への備えとして地下水を考えている場合は、BCP策定の手順と、水の項目で必ず抜けることもあわせてご覧ください。

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上水道の使用量と受水槽の状況から、地下水の飲料化を導入できる施設かどうかを判定します。

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水質検査についてのよくある質問

Q. 水質検査は自分でできますか

A. 市販の簡易キットで残留塩素やpHの目安は測れますが、法律で求められる定期検査の代わりにはなりません。水道事業者や専用水道の検査は、自前の検査施設を持つか、地方公共団体の機関か登録水質検査機関に委託して行います。毎日の色・濁り・残留塩素の確認は、施設の担当者が行う検査です。

Q. PFOS・PFOAの検査は義務になったのですか

A. 水道事業者と専用水道の設置者には、2026年4月1日から義務です。水質基準の52項目に入り、定期検査はおおむね3か月に1回以上が基本になりました。飲用井戸は要領で定期検査の項目に加わりましたが、法律上の義務ではなく指導です。特定建築物は、条文上の定期項目には入っていません。

Q. 受水槽があれば、必ず水質検査が必要ですか

A. 水道水だけを受けていて、受水槽の有効容量の合計が10m³を超えると簡易専用水道に当たり、毎年1回以上の検査と水槽の掃除が必要です。この検査は管理状況を見るもので、52項目の分析ではありません。10m³以下の受水槽(小規模貯水槽水道)は水道法の検査義務はかかりませんが、国の飲用井戸等衛生対策要領で毎年1回以上の検査が求められています(指導)。

Q. 水質検査の記録は何年保存しますか

A. 水道法では、検査を行った日から5年間保存します。専用水道の設置者も同じです。検査を委託した場合は、委託契約書も契約の終了から5年間保存します。建築物衛生法の特定建築物も、帳簿書類を5年間保存することになっています。

Q. 災害のあと、いつも飲んでいる井戸水を飲んでも大丈夫ですか

A. 検査で確かめるまでは飲まないのが安全です。国土交通省の災害時地下水利用ガイドラインは、能登半島地震で、水質が変わったおそれからそれまで飲んでいた井戸水を飲まなかった例を挙げています。珠洲市の調査では、飲用の判断に13項目を使い、色度が高い井戸はトイレや掃除に用途を絞りました。断水への備え方はBCP策定の記事、ほかの疑問はよくあるご質問にまとめています。

参考情報

  • 水道法(昭和32年法律第177号)第3条・第20条・第23条・第34条・第34条の2(e-Gov法令検索)
  • 水道法施行令(昭和32年政令第336号)第1条・第2条・第8条
  • 水道法施行規則(昭和32年厚生省令第45号)第15条・第17条・第54条〜第56条(2026年4月1日施行版)
  • 水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号、令和7年環境省令第19号で改正、2026年4月1日施行)
  • 環境省「水質基準に関する省令の一部を改正する省令等の公布について」(報道発表、2025年6月30日)
  • 環境省「水質基準に関する省令改正の概要について」(令和7年8月)
  • 環境省「水質基準項目と基準値」「水質管理目標設定項目と目標値」「要検討項目と目標値」
  • 環境省「水質検査機関(登録水質検査機関)」(令和8年7月1日現在)
  • 建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令 第1条、同施行規則 第4条(2026年4月1日施行版)
  • 国土交通省「飲用井戸等衛生対策要領」(令和7年6月30日改正、令和8年4月1日施行)
  • 国土交通省「令和6年度 水道の種類別箇所数」
  • 国土交通省・環境省「専用水道におけるPFOS及びPFOAに関するフォローアップ調査」(2025年12月25日公表)
  • 環境省「令和6年度地下水質測定結果」
  • 厚生労働省「水道対策」(令和6年4月1日の移管について)
  • 国土交通省「災害時地下水利用ガイドライン 〜災害用井戸・湧水の活用に向けて〜」(令和7年3月)
  • 内閣官房 水循環政策本部事務局 資料(珠洲市における既設井戸の調査)
  • 小学館「デジタル大辞泉」(コトバンク)「水質検査」
  • 静岡県生活科学検査センター、埼玉県食品衛生検査センター、さいたま市保健所 各水質検査料金表
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