給水車とは|容量と来る順番、給水袋・給水タンクの備え、施設の受水槽への給水まで

給水車とは|容量と来る順番、給水袋・給水タンクの備え、施設の受水槽への給水まで

給水車とは、断水したときに飲み水をタンクに積んで運び、避難所や病院などへ配る車のことです。

この記事では、給水車が何リットルの水を運べるか、どこにどの順番で来るか、1人あたりに配られる水の量、受け取るための給水袋・給水タンク、過去の地震で給水車がどれだけ出たかを、国・自治体・水道事業者の資料で整理します。後半では、施設の受水槽へ給水車から水を入れてもらう条件と、給水車だけでは足りない理由、当社の仕組みを書きます。

この記事でわかること

  • 給水車は2,000〜3,000Lのものが多い:水道事業者の給水車の容量は1,800〜3,000Lの例が多く、自衛隊には5,000Lの水タンク車があります。
  • 最初に向かうのは病院・透析・福祉施設:大都市の水道局の検討会は、南海トラフ巨大地震の発災から3日間、給水車の要請を人命に関わる施設に限る原則を示しています。
  • 受け取りは1人1日3Lから:国の指針の設定例は、発災から3日までを1人1日3Lとしています。容器は6Lの給水袋や10L・20Lのポリ容器です。
  • 給水車は数が足りない:南海トラフ巨大地震の発生初期、医療機関に要る給水車は2t車換算で1,194台と試算され、全国の保有台数のほぼ全部にあたります。
  • 施設の受水槽に入れるには準備が要る:加圧式の給水車、受水槽までのホース、給水車専用の入水管、水道局への事前の情報提供です。
目次

給水車とは|断水したときに水を積んで運ぶ車

給水車は、タンクとポンプを積み、断水した地域へ飲み水を運ぶ自動車です。

辞書と水道事業者の説明

国語辞典は給水車を、断水したときなどに飲料水を供給する自動車と説明しています。

デジタル大辞泉は「断水時などに飲料水を供給する自動車」、精選版 日本国語大辞典は「給水タンクを積んだ自動車」としています。秋田市上下水道局は、給水車を大きなタンクを備え、ポンプやホースなどを積んだ車と案内しています。積んでいるのは浄水場や配水池でくんだ水道水です。

拠点給水と運搬給水

給水車の使い方は、避難所に水を置く「拠点給水」と、施設の受水槽へ直接入れる「運搬給水」の2つに分かれます。

大阪市水道局は、避難所などに置いた仮設水槽へ給水車が巡回して水を足し、住民がそこから水をくむやり方を拠点給水方式、災害拠点病院などの重要施設の受水槽へ給水車で直接水を入れるやり方を運搬給水方式と呼んでいます。

給水車による応急給水の2つの方式浄水場・配水池給水車補水所で積む給水車加圧式/非加圧式拠点給水運搬給水避難所の仮設水槽給水拠点・給水所住民がくむ給水袋・ポリ容器施設の受水槽病院・入所型の福祉施設施設の給水診療・透析・生活受水槽へ入れるのは加圧式の給水車が基本減ったら給水車が巡回して足す

大阪市水道局「大阪市水道局の災害対策」、大都市水道局大規模災害対策検討会の資料をもとに作成した模式図

給水所との違い

給水所は住民が水を受け取る場所で、給水車はそこへ水を運んで足す車です。

避難所や公園などに設ける給水所(応急給水拠点)には、耐震性の貯水槽や仮設水槽が置かれ、給水車はそこへ水を足しに回ります。西宮市のように、住民が水を受け取る場所と、給水車が水を積む「給水車補水所」を分けている自治体もあり、補水所へ行っても水は受け取れません。

水道局・自衛隊・国の車

給水車を出すのは、主に水道事業者(市町村の水道局など)と自衛隊で、国の地方整備局の車も加わります。

能登半島地震では、日本水道協会を通じて全国の水道事業者が給水車を出し、陸上自衛隊・航空自衛隊、国土交通省の地方整備局も給水しました(石川県の資料)。北陸地方整備局は、給水機能の付いた散水車で、2024年1月2日から5月31日までの151日間、避難所や病院などに給水しています。

給水車は何リットル運べるか|2,000〜3,000Lが中心

水道事業者が公表している給水車は、1台で2,000〜3,000L前後を運ぶ例が中心です。

給水車の容量の例

下の表に集めた水道事業者の例では、容量は1,800L・2,000L・3,000Lです。

持ち主容量補足
秋田市上下水道局3,000L・2,000L・1,800Lポンプは毎分200〜300L、最大揚程25m
北九州市上下水道局1.5トン2台・3.0トン2台いずれも加圧式(2026年4月現在)
見附市上下水道局1,800L加圧式。ほかに消防署の水槽付消防ポンプ車2,000L
鳥取市2,000L・3,000L鳥取県の一覧(2023年4月現在)
自衛隊5,000L・1,000L3 1/2t水タンク車、1t水タンクトレーラー
国の地方整備局6.3トン積給水機能付き散水車(大型車)

秋田市上下水道局、北九州市上下水道局、見附市、鳥取県、防衛省統合幕僚監部、国土交通省北陸地方整備局の資料をもとに作成

京都大学防災研究所の論文も、給水車1台の容量を2〜4m³程度としています。

加圧式と非加圧式

給水車には、ポンプで水を押し上げる加圧式と、蛇口から水を出すだけの非加圧式があります。

加圧式は、高い位置にある受水槽の給水口やタンクへ水を送り込めます。非加圧式は、仮設水槽に流し込んだり、蛇口から給水袋やポリ容器に水を受けてもらったりする使い方が中心です。大都市水道局大規模災害対策検討会は、加圧式は医療機関や入所型の社会福祉施設などの受水槽への運搬補水を基本とし、非加圧式は応急給水をする施設に置くと整理しています。北陸地方整備局は、散水車のポンプは飲料水用ではなく、タンクの吐出口より高い水槽の給水口へは水を入れられなかったため、仮の水槽にためてから汲み上げたと報告しています。

2トン以上の給水車は準中型免許が要る

2017年3月12日以降に取った普通免許では、2トン以上の水タンクを積んだ給水車は運転できません。

大都市の水道局の提言は、2トン以上の給水タンクを積んだ給水車には準中型自動車免許などが要るとし、準中型免許の取得費を公費で負担している水道事業者の例を挙げています。日本水道協会も、能登半島地震の教訓に給水車の運転手の確保を挙げています。台数があっても、運転できる人がいなければ出せません。事業所の水の備えを計画にする手順はBCPの策定手順の記事にまとめています。

給水車はどこに来て、どの順番で回るか

自治体の応急給水の計画では、給水車が先に向かうのは病院・人工透析施設・福祉施設で、その次が給水拠点と避難所です。

優先は病院・透析・福祉施設

自治体の応急給水の計画は、病院と福祉施設を避難所より先に回すと定めています。

稲城市の応急給水マニュアルは、給水車の要請が多いときは「病院及び福祉施設」「水を供給できない給水拠点」「避難所」の順で給水するとしています。川南町の応急給水計画も、医療機関と福祉避難所には優先して給水すると定めています。国の指針も、病院・避難所・福祉施設・防災拠点を重要給水施設として先に選び、配水管が直るまで運搬給水か拠点給水で水を届けるよう求めています。これらの計画が挙げる優先の施設に、ホテルや工場などの事業所は入っていません。

発災から3日間の原則

南海トラフ巨大地震について、大都市の水道局は、発災から3日間の給水車を人命に関わる施設に限る原則をまとめています。

大都市水道局大規模災害対策検討会の提言は、発災から3日間の給水車の要請を病院・人工透析施設などに限り、給水車は水を運ぶことに専念して1か所に据え置かないこと、加圧式か非加圧式かを分けて要請することを原則としています。台数が足りない中で、最初の数日は避難所より病院を先にする考え方です。

日本水道協会の応援の流れ

大きな断水では、被災した水道事業者の要請が日本水道協会を通じて全国へ伝わり、各地の給水車が応援に入ります。

日本水道協会の手引きは、震度5強以上の地震や大規模な断水が起きたとき、地方支部長と都府県支部長を核にして連絡と応援要請をする体制を定めています。要請は、被災した水道事業者から被災した都道府県の支部長、地方支部長、日本水道協会の救援本部へと上がり、そこから各地の支部を通じて応援する水道事業者へ届きます。能登半島地震では、千葉県柏市が給水車の派遣要請を受けたのは2024年1月19日でした。

来るまでの日数は決まっていない

給水車が断水から何日で来るかに、公的な目安はありません。道路と距離で大きく変わります。

奈良市企業局の給水車は、2024年1月4日に金沢市へ向けて出発しましたが、能登半島の道路事情で引き返し、能登町に入ったのは1月12日でした。断水の原因と被害の範囲によっては、給水車が来ないまま水道が戻ることもあれば、何週間も給水車に頼ることもあります。断水がどのくらい続くかは、原因ごとに断水はいつまで続くのかの記事で整理しています。

1人に配られる水の量|発災から3日までは1日3L

国の指針の設定例では、発災から3日までに配る水は1人1日3Lで、生きるための飲み水の量です。

国の指針の設定例

日数がたつほど、配る水の目標量は飲み水からトイレ・洗濯・風呂の分へと増えていきます。

発災からの日数目標水量(1人1日)主な使い道・配り方
3日まで3L飲料。拠点給水・運搬給水(住民の運搬距離は概ね1km以内)
7日20〜30L飲料・洗面・水洗トイレ。配水本管近くの消火栓に仮設の給水栓
14日被災前の量(約250L)宅内の給水装置が壊れた家に仮設の給水栓・共用栓
(参考)10日・21日・28日20L・100L・ほぼ通常災害時地下水利用ガイドラインが引く自治体の設定例

厚生労働省「水道の耐震化計画等策定指針」(平成27年6月)の表3、内閣官房・国土交通省「災害時地下水利用ガイドライン」(令和7年3月、12月改訂)の表3-6をもとに作成

この設定例は、厚生労働省が2015年6月に示した指針の表で、指針自身が「一例」と書いています。水道行政は2024年4月に国土交通省と環境省へ移りましたが、指針は国土交通省のサイトに掲載されています。20Lは飲料と洗面の分で、水洗トイレを1日1〜2回使う分を足すと30Lです。

阪神・淡路大震災で使われた量

阪神・淡路大震災で被災した人が実際に使った水は、発災から1週間で1人1日約16Lでした。

災害時地下水利用ガイドラインは、発災後約1週間は1人1日16L、2週間までは23L、6週間までは32Lとの報告を引いています。

家庭の備蓄は3日分、できれば1週間

飲み水の備蓄は1人1日3Lを3日分、大規模な災害に備えるなら1週間分が目安です。

首相官邸は、飲料水を1人1日3Lで3日分、大規模災害のときは1週間分の備蓄が望ましいとしています。札幌市水道局は、1日に体に入る水と出る水がどちらも2.5Lとされ、少し余裕を足して3Lとしていると説明しています。トイレを流す水などの生活用水は、飲料水とは別に要ります。

給水袋・給水タンク|受け取る容器の種類と容量

給水車の水を受け取るには、ふたの閉まる容器が要り、自治体が備える給水袋は6Lが多くあります。

給水袋は6Lが多い

北九州市・鳥取市・見附市が備えている給水袋はどれも6Lで、見附市のものは背負えるリュック型です。

北九州市上下水道局は6Lの給水袋を50,000枚、鳥取市は6Lを15,400個備えています。水は1Lで約1kgなので、6Lの袋は満水で約6kgになります。

ポリ容器・給水タンク・避難所の水槽

給水タンクと呼ばれるものには、家庭で使う10L・20Lのポリ容器から、避難所に置く1,000L単位の水槽まであります。

容器容量の例主に使う人・場所
給水袋(非常用飲料水袋)6L家庭。自治体が配る・備える。リュック型もある
ポリ容器(ポリタンク)10L・20L家庭・事業所。自治体の備蓄にもある
組立式の給水タンク・仮設水槽1,000L避難所などの給水拠点
袋式の給水タンク1m³(1,000L)避難所。中に使い捨ての袋を入れる
車載型の給水タンク―トラックや軽貨物車に積んで運ぶ
アルミ製の給水タンク2,000L自治体の備蓄(鳥取市)

北九州市上下水道局、見附市、鳥取県、大阪市水道局、秋田市の資料をもとに作成

秋田市は、避難所用の給水タンクについて、中に使い捨ての袋が入り、1m³(2Lのペットボトル500本分)の水が入ると紹介しています。大阪市水道局は、トラックや軽四貨物車でも水を運べる車載型の給水タンクを備えています。

受け取った水の扱い

受け取った水は、汲み置きの水道水と同じで、日にちがたつと入れ替えが要ります。

札幌市水道局は、汲み置きした水道水は、日の当たらない涼しい場所で3日〜1週間、冷蔵庫で1〜2週間を目安に入れ替えるよう案内しています。塩素が抜けると細菌が増えやすくなるためです。

施設は十分な大きさの器を用意する

施設は、給水車から受けるための大きな器と、受水槽そのものを使う段取りが要ります。

厚生労働省の介護施設・事業所の業務継続ガイドラインは、給水車から水を受けられるよう、ポリタンクなど十分な大きさの器を用意しておくことが重要だとしています。同じガイドラインは、一般の成人が1日に必要とする飲料水を1.5〜3.0L程度とし、浴槽は壊れていなければ生活用水のタンクとして使えるとしています。

給水車だけでは足りない理由

国と水道事業者の資料は、給水車の台数・道路・運べる量に限りがあり、病院の使用量を給水車だけではまかなえないと示しています。

過去の地震で出た給水車

大きな地震のたびに全国から給水車の応援が入りましたが、断水は数か月続きました。

地震最大の断水断水が続いた期間給水車の数(数え方)
阪神・淡路大震災(1995年)約130万戸約3か月兵庫県で1日あたり最大 応援728台・被災市町107台
東日本大震災(2011年)約256.7万戸約5か月最大時の活動台数 355台(2011年3月24日)
熊本地震(2016年)約44.6万戸約3か月半日本水道協会の応援 延べ約1,650台
能登半島地震(2024年)約13万7千戸(6県39事業者)約5か月(復旧困難地域などを除き5月末に解消)日本水道協会の応援 延べ6,816台(5月末まで)、1日最大92台

国土交通省掲載の厚生労働省資料(断水戸数と期間)、内閣府「阪神・淡路大震災教訓情報資料集」、厚生労働省「全国水道関係担当者会議」資料、日本水道協会の能登半島地震の報告をもとに作成。期間は家屋の損壊地域などを除いた断水の解消まで。給水車の数は出典ごとに数え方が違い、地震どうしを比べられない

2026年7月の熊本地震でも、内閣府のまとめで4県15自治体の最大約108,100戸が断水し、熊本県内の透析施設94か所のうち最大13か所が透析をできないと報告され、給水の支援で4か所が透析を再開しました。

全国の台数は約1,300台

水道事業者が持つ給水車は全国で1,300台前後で、大きな地震では応援に出せる台数が限られます。

日本水道協会の地方支部ごとに水道事業者の保有台数を集めた調査(2022年2月締切)では、全国の給水車は1,274台でした。水道統計をもとにした水道技術研究センターの試算では、2021年度の上水道事業と水道用水供給事業の給水車は1,330台です(事業体が持つ容量1m³以上の車で、契約車は含みません)。大都市の水道局の提言は、過去に応援に出た給水車の最大は、阪神・淡路大震災で全国の保有台数の3分の1程度だったと推察しています。

南海トラフ巨大地震については、大都市水道局大規模災害対策検討会が、発生初期に被災地の医療機関だけで2t車換算1,194台が要ると試算しました。同じ資料は、全国の保有台数1,274台を超えないものの、保有台数には非加圧式が多く含まれ、病院への給水は難しいとしています。日本水道協会の2017年の調査では、南海トラフ巨大地震の対応に約3,000台の給水車が足りないとされています。

道路と往復の時間

給水車は水を積む場所と配る場所を往復するので、道路が壊れると1日に運べる回数が減ります。

能登半島地震の珠洲市では浄水場が使えなくなり、国土交通省によると、多くの給水車が金沢市との間を7時間以上かけて往復していました。東京都の試算では、2m³の給水車が1回70分で往復し、1日12時間動いた場合で、1台が1日に運べる水は約20m³です。

病院の1日の使用量

病院が1日に使う水は数百m³で、2〜4m³の給水車では何十回も往復しなければ届きません。

京都大学防災研究所の論文によると、愛知県の災害拠点病院の1日の水使用量は、飲用・雑用・透析用水を合わせて100〜700m³程度でした。同じ論文は、給水車1台の容量を2〜4m³程度とし、すべてを給水車でまかなうと1日に25〜350回程度の給水が要ると見込んでいます。能登半島地震で奥能登の病院へ給水した奈良市の給水車は、受水槽90トンの病院などへ、日没まで1日9往復ほどで約15トンを入れました。

給水車が運べる量と、病院が1日に使う水の量給水車1台の1回分2〜4m³給水車1台が1日に運べる量(東京都の試算)約20m³奥能登の病院などへ給水車1台が1日に入れた量約15m³その病院の受水槽90m³愛知県の災害拠点病院の1日の水使用量100〜700m³棒の長さは量に比例。淡い色は幅のある値の上限側。1m³=1,000L

大都市水道局大規模災害対策検討会の提言(給水車1台の給水量の試算)、奈良市の能登半島地震の応援の報告、京都大学防災研究所年報 第63号Bをもとに作成

施設の受水槽へ給水車から入れてもらうには

施設の受水槽に給水車の水を入れてもらうには、加圧式の車、受水槽までの経路とホース、水道局への事前の情報提供が要ります。

加圧式でないと受水槽に入れにくい

受水槽の給水口が給水車のタンクより高い位置にあると、ポンプで押し上げる加圧式でないと水を入れにくくなります。

大都市の水道局の検討会は、初動の加圧式の給水車を、病院・人工透析施設・福祉施設など人命に関わる施設に限って要請するとしています。受水槽が屋上や高い架台の上にある施設では、受水槽の手前で水を受ける段取りも考えておきます。受水槽と高架水槽の仕組みは建物の水道設備の記事にまとめています。

受水槽の位置・容量・進入路を伝えておく

水道局は、施設の受水槽の位置と容量、給水車が止まれる場所と進入路を、事前に知りたがっています。

大都市の水道局の提言は、医療機関について、災害時に最低限要る1日の使用水量、受水槽の位置と容量、給水車の進入ルート、連絡先、応急給水のときの注意事項を調べておくよう水道事業者に求めています。調査票の例では、受水タンクと給水車の停車位置の記入を必須とし、井戸などの代わりの水源や塩素の注入装置の有無を書く欄もあります。

事前に決めておくこと中身
災害時に最低限要る水の量1日あたりの量。使い道を絞った量で考える
受水槽の位置と有効容量地下・屋上など。複数あれば槽ごとに
給水車の停車位置と進入路大型車が入れるか、門・段差・高さ制限
受水槽までのホース停車位置から受水槽までの距離の分
給水車専用の入水管受水槽の外から給水車のホースをつなぐ口
連絡先と要請の手順誰が、どこへ、何を伝えて要請するか
代わりの水源井戸の有無と揚水量、塩素の注入装置、ろ過機

大都市水道局大規模災害対策検討会「南海トラフ巨大地震対策《全国の水道事業体に向けた提言》」(令和7年6月改訂)の提案13・14と調査票の例をもとに作成

ホースと給水車専用の入水管

受水槽が建物の地下など給水車から遠い施設には、水道局はホースの備えと給水車専用の入水管を勧めています。

同じ提言は、受水槽が給水車の停車位置から遠く離れている医療機関に、その距離の分の応急給水用ホースを備えるよう依頼し、給水の時間を短くして作業を安全にするために、受水槽へ給水車専用の入水管を付けることを提案しています。病院の給水管が漏水して断水し、近くの消火栓で水が出るときは、消火栓と受水槽をホースでつないで直接給水するやり方も示しています。神奈川県の厚木水道営業所は、2024年9月に地域の病院と、給水車から病院の受水槽へ水を入れる訓練をしています。

入れた水を確かめる

給水車の水を飲むときは、残留塩素が0.1mg/L以上あるかを確かめます。

稲城市の応急給水マニュアルは、残留塩素が0.1mg/L以上なら飲用でき、0.1mg/L未満の水は飲まないよう定めています。受水槽に入れたあとも、残留塩素が保たれているかを確かめます。測り方は残留塩素の記事で説明しています。

災害拠点病院は3日分の水の確保が求められる

災害拠点病院の指定要件は、少なくとも3日分の病院の機能を保つ水の確保を求めています。

厚生労働省の災害拠点病院指定要件(2019年7月17日改正)は、その水を確保することとし、具体的な方法として、少なくとも3日分の容量の受水槽を持つか、停電時にも使える地下水利用の設備(井戸設備を含む)を整備しておくことが望ましいとし、優先的な給水協定で確保することも差し支えないとしています。2018年12月時点の全病院の調査では、受水槽がある病院は90.8%、井戸水を確保している病院は40.0%で、そのうち浄水設備があるのは62.1%でした。病院のほかの断水対策はBCP対策の具体例の記事にまとめています。

この施設は、断水の何日目まで水が持つか

当社は、受水槽の容量と1日の水の使用量、給水の配管から、断水したときに施設の水が何日持つかと、地下水を足したときにどこまで使い続けられるかを判定します。井戸の掘削も浄水設備の維持管理も当社の負担で、ご相談の段階で費用は発生しません。

導入できるか診断する

ご相談の段階で費用は発生しません。

給水車を待たない水源|施設の井戸と当社の仕組み

施設の敷地に井戸があり浄水設備が動けば、給水車を待たずに受水槽へ水を入れ続けられます。

国のガイドラインの役割分担

国のガイドラインは、最初の数日の飲み水は備蓄と給水車で、そのあとの生活用水は井戸でと役割を分けています。

災害時地下水利用ガイドラインは、災害時の飲用水は備蓄や給水車による支援、支援物資で確保できると想定する一方で、洗濯・風呂・トイレなどの生活用水の確保が難しいとし、災害用井戸の主な対象を地震発生から4〜10日程度以降の生活用水としています。能登半島地震では、停電の復旧に比べて断水の解消に相当な期間がかかったとも書いています。大都市の水道局の提言も、医療機関に受水槽の容量の確保、井戸の水源と自家発電設備の設置を呼びかけています。

井戸が使えると給水車の必要台数が減る

施設の井戸の水が使えると、給水車で外から運ばなければならない水の量が減ります。

京都大学防災研究所の研究は、名古屋市の災害拠点病院を対象にしたモデルで、病院の井水が使えれば、1つの病院が断水しない限り、市内の給水車だけで各病院の必要支援水量をまかなえ、井水が使えないと他の地区から4t車26台・2t車8台の応援が要ると示しています。能登半島地震では、深さ95mの深井戸の井水を受水槽4か所のうち1か所に入れていた奥能登の病院が、その水を「助けてくれた水」と報告しています。熊本市は、断水のときに民間の井戸の水を住民へ出してもらう協定を99社・100か所と結んでいます(2026年7月時点)。

井戸の弱点

井戸があっても、停電・濁り・水質の変化で使えなくなることがあり、備えが要ります。

2016年の熊本地震では地下水に濁りが出て、熊本市内の大きな病院は井水も十分に調達できず、給水車で給水を受けました(京都大学防災研究所の論文)。電動のポンプは停電すると止まります。厚生労働省の介護施設向けのガイドラインは、井戸水は生活用水に使い、飲用しないよう書いています。井戸の水を飲み水にするには、水質の検査と浄水処理、停電中もポンプを動かす電源が要ります(条件は地下水を飲料水にする記事)。地域の防災井戸の登録や協定は防災井戸の記事で説明しています。

当社の仕組み

当社は、施設の敷地に深井戸を掘り、浄水した地下水を受水槽へ送り、水道と組み合わせて給水します。

当社は、地表から約100m下の層から地下水をくみ上げ、除鉄・除マンガン、活性炭、膜ろ過、軟水器を水質に合わせて組み合わせて浄水し、水質と設備の動きを24時間遠隔で監視しています。水道の契約は残し、井戸側に異常があれば自動で水道に切り替わる二元給水です。受水槽に入る水のうち井戸水の割合は、ふだんは50〜90%で、施設の使用量と配管の系統で変わります。浄水設備を非常用発電機につないでおけば、停電中も給水を続けられます。仕組みは地下水の給水の仕組み、災害時の考え方は災害時の水源確保、地域への給水は地域への給水、病院での使い方は病院のページにまとめています。

断水したとき、給水車を待たずに水を出せるか

当社は、施設の水の使用量と受水槽、敷地の条件から、深井戸の地下水を足せるかと、断水したときに受水槽へ水を入れ続けられるかを判定します。導入できる場合は、水道代が下がるかどうかもあわせてお伝えします。ご相談の段階で費用は発生しません。

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ご相談の段階で費用は発生しません。

給水車についてのよくある質問

給水車は来る日が決まっておらず、届いた水は残留塩素を確かめて飲み、受け取りには6Lの給水袋が使われます。

Q. 給水車は断水から何日で来ますか

A. 決まった日数はありません。給水車に頼る期間も断水の戻り方で変わり、日本水道協会によると、能登半島地震では被災後約1週間で5割、約3週間で6割、約11週間で9割の断水が解消しました。水道が戻った地区から給水車は減っていくので、断水が長く残る地区ほど給水車に頼る日数が延びます。

Q. 給水車の水はそのまま飲めますか

A. 給水車が運ぶのは水道水で、残留塩素が残っていれば飲めます。川南町の計画は、給水車のタンクを清掃してから使うとしています。避難所の仮設水槽の水は、くみ置くあいだに汚れることがあり、大阪市水道局は住民に仮設水槽の衛生の見守りへの協力を頼んでいます。

Q. 給水車は会社や個人でも頼めますか

A. 給水車を出すのは自治体と水道事業者で、要請はその窓口を通します。病院は、災害拠点病院の指定要件で優先的な給水協定を結ぶことも認められています。大都市の水道局の提言は、民間のタンクローリーを使えるよう民間事業者と協定を結ぶことも水道事業者に勧めています。

Q. 給水袋は何リットルのものを選べばよいですか

A. 自治体や水道局が備えている給水袋は6Lのものが多く、背負えるリュック型もあります。水は1Lで約1kgなので、6Lで約6kgになります。家族の人数分を1回で運ぼうとせず、持てる重さの袋を複数用意します。

Q. 施設の受水槽の水は、断水すると何日もちますか

A. 受水槽の有効容量を1日の水の使用量で割ると、おおよその日数が出ます。受水槽だけでもつのは、ためた量に応じて1日分から数日分です。停電でポンプが止まれば、受水槽に水が残っていても上の階へ送れません。使い道を絞った量でも計算しておくと、給水車を要請するまでの日数が見えます。

参考情報

この記事は、次の国・自治体・水道事業者・研究機関の資料をもとに作成しました(2026年10月24日に確認)。

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